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12色のアイ

第2章 誘惑大作戦


そんなこんなで、夜も遅くなってきた。
龍が「先にお風呂どうぞ」と言ってきたけど、それでは私の計画がパーになってしまう。
だから、理由をこじつけて先に入ってもらった。

龍が出てきてからお風呂場に行くと、龍の匂いでいっぱいだった。
龍のシャンプーに龍のポディソープ。
思わず1人でシそうになるのを抑え念入りに体を洗った。

髪を軽く乾かし、新しい下着をつけて鏡の前に立つ。
下着は龍のイメージカラーを意識して、暗めの青緑を基調とした少し布面積が少ないものだ。
私も一応アイドルだしスタイルにはそこそこ自信がある。
胸はそこまで大きくないけど全体としてバランスはいいと思う。
ここでうだうだ考えても仕方がない。
私は深い深呼吸を一つしてお風呂場から出た。
「おかえり。遅かったね……って、え!?何で着てないの!?」
「下着は着てる」
「ちゃんと服着ないとだめでしょ!?」
龍は顔を真っ赤にして下を向く。
私は龍に近づいて抱きついた。
「ね、龍……抱いて……?」
上目遣いで龍を見る。
龍は一瞬私の体を見てからすぐに目をそらした。
「だ、だめだよ…」
「何で?」
「君は、まだ未成年だろ……」
「後1年で成人よ」
「でも今は19だ」
「お願い、抱いて。龍が大切にしてくれてるのは知ってる。でも…もう我慢できないの」
私はそう言って龍にキスをした。
舌を入れようとしたけど、龍の口は頑なに閉ざされていて入れられなかった。
「なんで…どうしてしてくれないの……?」
私はだんだんと悲しくなってきてしまって、気づくと泣いていた。
すると、頭の上から優しい声が降ってきた。
「ごめん、君を泣かせたい訳じゃないんだ。本当は俺も君を抱きたい」
龍の真剣な視線が注がれる。
「でも、君を壊してしまいそうで怖いんだ。成人してるしてないはただの言い訳。君が大切だから酷くしたくないんだ……」
初めて聞く龍の本音だった。
龍が私のことを抱きたいと思ってくれていたと知って心がじんわりと熱くなった。
私は龍の唇に軽くキスをした。
「大丈夫だから、抱いて、龍」
「壊すかも」
「そんなに柔じゃない」
「酷くするかも」
「龍がしてくれることなら酷くてもいい」
「全部受け止めてくれる?」
「もちろん。だって、龍が好きなんだもん」
私がそう言うと、龍は切羽詰まったように私を抱え、寝室に連れて行った。
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