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12色のアイ

第2章 誘惑大作戦


「龍かっこいい……惚れ直しそう」
「君に惚れ直してもらえるなら嬉しいなぁ」
明日は久しぶりの2人のオフが重なった日。
だから、今日は龍の家にお泊まりだ。
今は龍が出ているドラマの鑑賞会をしている。
こうして2人でくつろげる時間はなかなか取れないから幸せだ。
「龍って、何でこんなにかっこいいんだろう」
「さ、さぁ?」
「龍みたいな彼氏がいるなんて私は幸せ者だね」
私はそう言って龍の頼もしい胸板に顔をうずめた。
「わ、百合ちゃん!?」
「ね、龍。キスして……?」
私がそうねだると龍は顔を真っ赤にした。
正直言って可愛い。
「じゃ、じゃあ、目瞑って?」
「ん。いつでもどうぞ」
目を閉じると龍の気配が近くなって唇に柔らかいものが当たり、すぐに離れた。
「ん…もっと……」
龍の首に腕を回してそうお願いすると、タイミングよく電話がなった。
「あ、ご、ごめん!電話が…」
「いいよ。早く出たら?仕事の話かもよ」
「うん……」
龍が私に背を向けて話す。
本当はもっとキスしたかった。
そして、あわよくばもっとその先まで……。
龍は私のことを大切にしすぎて全く手を出してくれない。
それはそれで龍の優しさが伝わってくるから良いのだけれど。
……でも、やっぱり好きな男に求められたい、抱かれたいと思ってしまう。
だから、今日、作戦に出ようと思う。
その名も「誘惑大作戦」。
目標は、龍に私の処女を捧げること。
この日に向けて肌のケアをしたり、毛の処理をしたり、勝負下着を買ったりと色々準備してきた。
「絶対に成功させる!」と気合を入れた時、龍が話し終わったようだった。
「何の用だった?」
「ああ、次のCMの撮影場所が変更になったみたいだからその確認をってね」
「えっと……香水のCMだっけ?」
「うん。あの……」
「何?」
龍の視線に熱がこもる。
「キス…もう一回していい?俺も…もっとしたかった」
腰に手が回る。
「もちろんいいよ」
クイっと背伸びをして顔を近づける。
キスはしてくれるのに、どうしてその先はしてくれないんだろう……。
でも、龍とのキスはそんなことを考える暇がないくらい気持ちが良くて、私はいつのまにかそのキスに夢中になっていた。
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