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12色のアイ

第3章 貴方の印を


楽side

まだだ。
まだ足りない。
「ひぁっ、が、くぅ…あぁっ!も、むりぃ!ゆる、してぇ……」
俺の下で酷く感じている彼女への愛しさが溢れて止まらない。
彼女の「無理」という言葉も無視して腰を激しく打ちつける。
「ひゃぁ!も、だめ、こわれちゃう、あ!がくぅっ」
「はぁ、まだ壊れるなよ。そもそも、お前から強請ったんじゃねぇか」
「だ、だってぇ、がくが、あ、ひぅっ」
「くっ、はぁ、安心、しろよ……お前の願い、ちゃんと叶えてやるから……」
俺はぐったりした彼女の身体を抱きしめ、耳元で囁いた。
「俺の子、孕ませてやるよ……」


数時間前。

俺と彼女が結婚して一年が経った。
百合はドジなところが多いが、基本的にはおっとりしていて料理もうまいし、俺に健気に尽くしてくれるところがまた可愛い。
毎日、毎日、幸せで心も身体も満たされていた。
……だけど、実はここ最近セックスレスだったりする。
しかもその原因は俺にある。
彼女とシたくないわけではない。
むしろ、今すぐにでも抱き潰したい。
でも、この仕事が終わったら次はこの仕事、次の仕事が終わったらまた次の仕事、と最近は異常なくらい忙しい。
そのせいか、家に帰って風呂や飯を済ませるとすぐに寝てしまう。
そんな生活がいつの間にか1ヶ月続いた。
さすがの俺でもそろそろ限界だ。
と、いうことで仕事を鬼のようなスピードで終わらせ、姉鷺に頼み込んで丸一日休みをもらった。
「ただいま、百合」
「お帰りなさい。楽さん。今日は早いんですね」
「ああ。百合、明日丸一日休み貰ったぞ」
「え!?本当ですか!?」
「俺が嘘つくわけないだろ」
「ふふっ。お休み久し振りですね。嬉しいです」
彼女がにっこりと笑う。
ああ…可愛いな。我慢できなくなりそ……。
「あのさ……最近、シてなかっただろ…セックス」
俺が「セックス」という単語を出すと彼女の顔が見る見るうちに赤くなっていった。
「だから、今すぐにシたい…いいだろ?」
そっと彼女を抱き寄せ、顎に指をかけ顔を上げさせた。
「百合が欲しい」
「わ、私も、ずっと楽さんとシたいと思ってました…」
「嬉しい」
「あ、あの、一つだけお願いを聞いて貰ってもいいですか?」
「いいぜ。言ってみろよ」
すると、彼女は俺に自分から抱きつき上目遣いで言った。
「楽さんの……子供が欲しいです」
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