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【YOI】ほろ苦く、そして甘い予感【男主&ユーリ】

第3章 再会と甘い予感


ただのアクシデントだった筈が、リンクで自分の真っ直ぐな想いを表現した後で、ユーリに「君の事が好きだ」と告げてきた『青い瞳のサムライ』。
やっとできた歳下のライバルだから、普通より少し気になるだけだと礼之に対する感情を否定しようとしたが、その度にユーリの中で彼の真剣な眼差しと少し強引だが優しい抱擁、そして甘やかな唇の感触が蘇ってくるのだ。
「クソっ、どうして俺はアイツを無視出来ねぇんだ…」
残り少ないチョコの箱を恨みがましげに見つめながら、ユーリは無意識に唇を己の指でなぞっていた。

「どうやらユーリは、新しい恋を見つけたようね」
「あのユーリが恋だとぉ!?」
ユーリの様子を遠巻きに眺めていたリリアの口から紡ぎ出された言葉に、ヤコフは素っ頓狂な声を上げる。
「貴方は何も判っていないのね、ヤコフ。昨シーズン、『彼』への想いに決着をつけてからユーリは調子を取り戻し始めたし、競技に上手く作用するのならば、恋愛はそう悪い事ではないわ」
「か、『彼』とは誰だ?まさか、昨年ショーでユーリのEXを作った…」
「違うわよ。確かにユーリは『彼』の友人でもある純の事を、兄のように慕っているけれど」
スケートのコーチとしては一流だが、こちら方面はとことん鈍く不器用なヤコフに呆れ返りながら、リリアはユーリに視線を戻す。
日本で貰ったというチープなチョコレートを、しかし誰にも渡す事なく口にする度物思いに耽るユーリの様子を、リリアは顔には出さねど興味深げに観察していた。

今季のワールドは開催地が日本なので、いつもより余裕をもって会場入りした礼之は、同じく出場する勇利や南をはじめ、今大会の為に時間を作ってくれた純との再会を暫し喜んだ。
「勝生さん、南さん!純さんもお久しぶりです!」
「礼之くん、久しぶり!」
「いよいよ今季の締めとも呼ぶべきワールドや。皆、出せるモノ出し切って頑張り」
「全日本ではアレクくんに遅れば取ったけど、今回はそうはいかんばい!」
「僕だって負けませんよ!」
皆で揃って抽選会場へ向かう道中、何やら手の中の物を凝視している礼之に気付いた南は、声を掛けた。
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