第5章 小さい天使と大きい悪魔
…なんで?
オレ、なんでコイツとキスしてんだ?
イヤ、こんなの絶対嫌われるって…
綾菜と唇が重なってから3秒。
俺はすぐに唇を離したが、
綾菜も俺も動けないままでいる。
ズケー驚いてる顔してんな
…イヤ、あんまり変わってないけど。
でも俺も結構驚いてる。
「ごめんな?
ホント、ごめん。」
「私は平気です。
黒尾センパイは自分の心配でもしたら?
エマさんにキスされてから、ずっと悲しそう。
だから、私にキスしたんでしょ?」
…そっか俺、エマにキスされてそれが嫌で綾菜にキス、したんだ。
コイツ、俺より俺のことわかってやがる