第23章 キミ色

「８割…」

「ん？」

「なにが？」

光太郎の言葉に意味がわからず、私と木葉さんは光太郎に聞き返した。

「離れたカップルが、そのまま別れる確率。」

…なるほど。
なんでそんなこと知ってんの、とかも頭によぎったけど、私は自分の考えを光太郎に教える。

「もし、それで別れるならそこまでだったってことでしょ。」

もう、よく分からない。
そもそも、私から離れたい、と言ったんだから、やっぱり離れるのやめよう、とか言える立場じゃない。別れようって言われても、これも、別れたくないだなんて言うのはただのワガママだ。

「あー、でも黒尾も受験だろ？だから、綾菜のことが気になって受験落ちたとか、綾菜も悲しむだろ。」

そりゃあ、悲しむよ。クロが受験落ちたなんて聞いたら、私が迷惑かけたって思うでしょ。こんな時期にあんな話しを持ちかけたんだから。

「まぁさ、綾菜ちゃんが会いたくなったら、会いに行こうな？そん時は、木兎も俺も綾菜ちゃんの味方だから。」

「…迷惑かけてごめんなさい。」

関係の無い2人まで巻き込んでしまった。…もう、私は大馬鹿者だ。

すると、おデコにデコピンを1発入れられる。

「イデ…」

思わず声に出しておデコを抑えると、デコピンをした木葉さんが言った。

「そこは、ありがとう、だろ？」

「…あ、…ありがとうございます」

「いーえ。」

そう言って木葉さんは、私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。