第23章 キミ色
「綾菜、…ごめん出るから…1回、離し…て」
「やら…イって…。」
上手く話せなかったけど、私はクロのを咥えたまま離そうとしないから、行動でわかったと思う。
「ッ…あ……」
クロは小さな声を漏らしたと同時に、私の口内には温かい液体でいっぱいになった。
これは、飲めばいいのか?
それとも、吐き出せばいいのか?
…いや、1度口の中に入れたものを吐き出すのは良くないな。
私は飲む、という考えにつくと、ごっくんと一気に飲み込んだ。
それでも、あまりの量の多さに全ては飲みきれず、おもわず口からこぼれた。
「あ、ごめんな!はい、ティッシュ。…あ、もう飲み込んじまったか…、すまねぇな。言うのが遅かった。」
クロはそう言いながら、私の口の端から零れていた精液を拭き取ってくれた。
「ありがとう」
私はクロにそう言い、クロは私の頭をポンポンと撫でてくれた。
「ってかさ、綾菜、嫌なら嫌って言っていいんだぜ?前、アイツらにヤられて気持ち悪くなるぐらい嫌だったダロ?それなのに、今回俺は自分の欲の為にこんなことやったんだし、ヤダってヤメテって言って、俺のこと殴ってくれていいんだよ、本当に無理すんな」
本当に無理してないんだけど…、嫌じゃなかったし。
だけど、ずっと無理してる無理してるって言われて、そう思ってるぐらいなら、やめろよって思ってしまう。
だからなのか、少し強い言い方をしてしまった。
「別に、無理してないって。しつこい」
「そう、ごめん。でも、怒ってるよな」
クロは私のことを心配してくれているのに、なんかもうイライラする。
…私のこのクソみたいな性格何とかならないのかな…。
「いちいち人のご機嫌伺わないでよ、無理してる無理してるって、無理してないって言ったじゃん」
このままクロと一緒にいても、きっと頭の中は混乱するだけだ。
「クロ、私たち少し傍にいすぎたんじゃない?…少し、離れよっか。」
だからおもわず、こんなことを言ってしまった。
バカ、バカ、バカ!
でも、そうしないと、クロにもっと酷いことをしてしまう。