第20章 音駒高校学園祭!
木葉さんはよく私たちの家に遊びに来るから、なんどか話したこともあった。
だけど、そこにはいつも光太郎がいて、2人だけで話すという時はなかった。
男の人、と言うだけで緊張するのに、2人で話すの初めてだから、尚更緊張するし…。
「そんな緊張する必要ねぇよ。俺、別に変なことしようとか思ってないから」
「ですよね」
私がそう言うと、帰ってきた言葉は木葉さんの口から出たものではなく、クロと光太郎の声だった。
『綾菜に変なことしたら俺が許さねぇからな!』
…見事にハモった。…にしても、よく人通りが多いこんなところで、そんな変なことを大声で言えるのよ…。
「俺、ここの店でたこ焼き食べたいです!」
リエーフくんは元気にそう言うと、列の最後尾に並んだ。