第20章 音駒高校学園祭!
「おつかれ。緊張した?」
「うん。でも、歌い始めると忘れちゃったけどね」
私がそういうと、クロは微笑んだ。
「てかさ、綾菜の服って以外にスカート丈短いのね」
「うん…、そうなの。すごく恥ずかしかった」
「そう?でもすごく可愛いよ」
やっぱりクロは恥ずかしいことをすぐ言えちゃうんだね。
すると、クロは私のスカートを右手の人差し指で器用にうえに持ち上げた。
「あ…、なにしてるの…?」
私がクロにそう問いかけると、クロは私の顔を覗き込みながら言った。
「あのさぁこんな格好しときながら、かわいいの一言で済むと思ってんの?俺だって健全な男子高校生デスよ?」
チラッとクロの顔を見ると完全にいつものクロとは違い、ものすごくオスの顔をしていた。
「今は…ダメ」
私の中のギリギリな何かが、クロに必死にそう伝えた。
「じゃあ後では?」
「…それは…いいよ。……楽しみにしてるね」
「楽しませてやるよ」
そう言ってニヤリと笑ったクロは完全にスイッチが入っていて。
クロの唇と私の唇の距離は、簡単にゼロセンチになった。