第20章 音駒高校学園祭!
司会の方が私たちのことを簡素に説明をしてくれる。
その間、私たちのためのイスや、マイクをセットしてくれる人がせっせと動き、どんどんとことは進んでいく。
カポを2にセットして、弦を指で触れるとクロと目を合わせ頷き合う。
頷いてから私が静かに足踏みをして、クロが歌って私が弾く。
サビになると、ハモりがあるため私も歌わせてもらった。
クロの声は綺麗な低音で、1度耳に入れたら絶対に耳から逃げることはないと言っても過言ではないぐらいに相手を魅了する声の持ち主。
だから、みんなも手拍子をしてくれたりして、会場全体で楽しんだ。
__あなたの全てにこころ弾ませて
私はこの曲の歌詞が大好きだ。
本当にその通りだと思う。
ちょっとした笑顔にもドキドキしちゃうし、たまに香る匂いにもドキドキしちゃう。
クロと私は向き合う形でイスに座っている。
たまに、お互い顔を見あったりもする。
曲が終わると、大きな拍手。
そして司会の方の言葉を貰い、クロと二人でお礼の言葉を言うと、舞台裏に戻った。