第20章 音駒高校学園祭!
「木兎さんおつかれー。もう着替えて休憩していいよ」
「ありがとう」
教室をあとにして更衣室に向かうと、自分の名前が書いてあるかごを引き出す。
すると、制服の下に置いてあるスマホがタイミング良く音を鳴らす。
あ、クロからだ。
私は少しだけ顔を緩ませながら、ロックを開き緑色のアイコンをタップして、クロとのトーク画面を開いた。
クロからのメッセージは、私にはあまりいいことではなかった。
『ごめん、ひとり休んだからオレ抜けられないかも。回れなくてごめんな。明日は絶対回れるから。あとでよろしく。』
メッセージにしては少し長文だけど、人の仕事を受け入れるというクロの優しいところを知れたし、こればっかりはしょうがないもんね。
私は大丈夫だよ、と返すと着替えて教室へ向かった。