第19章 手のひら合わせて。
教室につくと、隣の席は人がいなかった。
…綾菜どこ行っちゃったんだろう…。
なんて、少し心配するけど朝練終わりの俺の体は疲れきっていて、動く気がしない。
だけど一応クロにだけは伝えといた方がいいと思い、先生が教室に入ってくる前にメッセージを送信した。
俺がメッセージを送り終わると予想より早くメッセージが帰ってくる。
『綾菜教室にいないけど、どこにいるか知ってる?』
『しらね、てか俺なんかアイツに悪いことしたかな?』
『なんで?』
『なんか避けられてるな、って思ったから。あ、ごめん、小テストの勉強するな』
綾菜がクロを避けてる?
あんなにクロのことを好きなのに?
でも学校には来てるはずなんだよね、下駄箱にはちゃんと靴が入ってたし。