第19章 手のひら合わせて。
次の日は朝練があるため光太郎と駅のホームまで行った。
「行ってらっしゃい」
「綾菜も行ってらっしゃい!」
光太郎と別れると私は1人、駅のホームで電車を待ってようと思ってたけど、突然呼ばれた。
「センパーイ!」
またミカちゃんか…。
やっぱりこの子、苦手だな。
「おはよう」
苦手でも、先輩として挨拶はしなければならないため、できるだけ落ち着いて挨拶をした。
「おはようございまーす!
あ、センパイ、写真ちゃんと撮りましたから!」
そう言い、親指だけを立ててわたしに見せつけた。
「…なんのこと?」
私は意味がわからず、はてなマークを浮かべながらミカちゃんに問いかけた。
「さっきの方のことですよー。浮気ですか?」
あ、光太郎の事だよね。
「あれは私のお兄ちゃんだよ。」
「そうなんですね」
意外とあっさり認めてくれたのはいいけど、朝から会うなんてついてないな…。
…って、こんなこと考えたらダメだよね。