第2章 ♡はじまり
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「......ん...」
うっすらと瞳を開くと、
見たこともない豪華な天井が目に入った。
「...え......?」
そのまま驚き身体を起こそうとするとー
『やっと起きたのか』
ふいに男の人の声が聞こえてきて
びくりと身体を震わせる。
『おい、助けてやったのにその反応はなんだ?』
声と共に、
カツカツ...と足音が近づき、
めるは身体をこわばらせ、
思わずぎゅっと瞳を閉じる。
『おい』
足音が止まった...ーと思ったら
急に頭をガシッと捕まれた。
そーっと瞳を開く...
と、そこにはこれまた見たことないほどに
美しい顔をした男性が、眉をしかめて
自分のことを見下ろしている姿が目に入った。
「あ...あの...」
『あ?まずは、助けて頂いてありがとうございます。だろ?』
「あ...た、助けて頂いて、
ありがとう、ございます...?」
助けて頂いた...?そんな覚えはないし、
全く意味がわからなかったが
その男の有無を言わさぬ物言いに
訳の分からないまま
お礼の言葉を口にする。
『ああ。で、なんで、
飛び込み自殺なんかしようとしたんだ。
しかも、よりによって俺の乗った車に。』
「と、飛び込み...?」
急に問われ、頭をかしげたが、
その問いによって
やっとあの事故を思い出した。
「あ......!私...あ!生きてる...!」
『はぁあ???
だから、俺が助けてやったことに
さっきお礼を言わせただろうが』
「あ...あぁ...ああ!!!
な、なるほどですね...!!
あ、ありがとうございました!!」
やっと話が見えて
今度はきちんと頭を下げる。