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第13章 その勇姿を焼き付けて[煉獄杏寿郎]


「雪音、君は車両1つを守れ」
師範である炎柱 煉獄杏寿郎にそう指示された。
竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の丙(ひのえ)級隊士、禰豆子、乙(きのと)級隊士である私、炎真雪音、そして炎柱 煉獄杏寿郎が乗車した列車に鬼が乗り込んでいたらしく、不甲斐ないことに血鬼術にかかってしまった。
しかし禰豆子の血鬼術のおかげで敵の血鬼術による夢から覚める事が出来たものの、鬼は列車と融合してしまい厄介な事態となった。
迅速にそれぞれに指示を出す師範。そして私にあてがわれた役割は冒頭にあるように、"車両1つを守り抜くこと" 。
「でも師範っ」
「俺は4両を受け持つ。大丈夫だ、雪音ならば守りぬける」
「師範…」
「君は俺の継子だ!誇り高き炎柱を継ぐ子。信じているぞ!」
「っはい!」
そしてそれぞれが持ち場へと急ぎ、乗客に鬼の魔の手が触れないように必死に守り抜いた。


やがてカタがついたのか、列車に大きな衝撃が走った。
(列車が傾いてる…!?乗客が危ない!!)
この車両を任された以上は守り抜かねばと頭をフル回転させるが、どうやら外側に侵食していた肉で逆に衝撃はいくらか和らいだようだった。
「師範!」
「よくやった雪音!それでこそ俺の継子だ!!」
その言葉だけで胸が暖かくなりいっぱいになる。
ああ、守り抜けたのだと達成感に包まれる。
乗客達も次々に目覚め、避難を開始していたそんな時だった。
――ドォォン!!
突然すぐ近くに爆音が轟き、煙が晴れるとそこには…。
「そんな…新手!?」
1体の鬼が姿を現した。そして瞳に刻まれた数字に、その場にいた全員が息を呑んだ。
「上弦…参…!」
誰もが予想だにしなかった上弦の鬼の出現。背中にヒヤリとしたものが流れたのがわかった。
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