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第10章 機械仕掛けの恋慕[10年後スクアーロ]


私はクローンの研究をしているレリシーノ家のご令嬢、ルディア・レリシーノ様のクローン。裏社会での活動故に襲撃されやすい為、襲撃を受けた際の策として戦闘特化型クローンとして生み出された。
戦うために生み出された私の存在価値は、戦うことだけ。
けれどある日、襲撃されほぼ壊滅状態になったレリシーノ家の研究所で死にかけていた私を拾い、戦うこと以外の存在価値を与えてくれた人が現れた。
名をスペルビ・スクアーロ様。
イタリアンマフィア ボンゴレファミリーの独立暗殺部隊ヴァリアーで隊長をしているお方。
彼は私を"ただの戦闘人形"としてではなく、一人の少女として扱ってくれた。そして奇跡とも言える出来事が起きた。

――――――ただのクローンであるはずの私が、スクアーロ様に恋慕を抱いたのだ。
クローンなんてものは通常、心を持たない。所詮は人間に造られた道具のようなものなのだから。
ベル様にちょっかいをかけられて困っているところを見つけると困らせるんじゃねぇ、と連れ出してくれる。任務の報告にボスであるXANXUS様の元へ2人で行けば、飛んでくる食器類や酒瓶などから私を守ってくれる。…まぁ、ボスはスクアーロ様の反応を見て面白がっているだけのようにも見えますが。
スクアーロ様がいて、ボスや幹部の皆様がいる。騒がしいけれど、私はこの日常の中で確かな"幸せ"というものを感じていた。
こんな幸せな日々がこの先ずっと続けばいい、そんなことを思わずにはいられなかった。
しかし、当然そんな日々がずっと続くはずはなく。ある任務に向かった先で幸福な日々は終わりを告げた。
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