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第7章 想いは泡沫のように[シーヴァ・キング]


皆様どうも。私は雪音。突然ですが私は今何処かの廃屋に誘拐されて監禁されています。
(なんでこんなことに…)
声には出さずひとり項垂れる。
私が攫われたのは買い物からの帰り道に歩道を歩いていた時だ。私が住み込みで働いている研究所「キング・ラボ」の所長シーヴァ・キングがレッドソーダが切れたから買ってきてと頼んできた。
上司であり私が想いを寄せる相手でもある彼の為だからと私はひとりで買い出しに出た訳だが。
買い出しを終わらせて研究所へ歩き出して間もなくの事だった。突然すぐ近くに黒いワゴン車が止まったかと思うと私はその車内へ引きずり込まれた。
引きずり込まれながら私は頭を強くうちつけ、道に散乱する買い物袋の中身が一瞬見えた。
(嗚呼…折角買い揃えたのに。というかなんてベタな…)
そして私の意識はプツリと途切れた。


そうして私が目覚めると冒頭のところに繋がるわけだ。犯人グループの話し声から察するに、彼らはどうやらシーヴァをよく思わない連中から事が済めば私を好きにしていいから彼を始末しろみたいなことを依頼されたらしい。
(さて。私は手足を縛られている状態でコンクリの上に無造作に転がされているけどここからどう動くのが最善か…)
犯人グループの"上"は果たしてヒューマノイドが関係しているのか。もし関係しているのなら何かしら収穫できるものはないだろうか?
(というかその前に縛られてる手足をどうにかしないと。ちょっと動かすだけで痛むってことは結構きつく縛ってあるな)
この縄を解くのは難しいか。でもどうする?打開策が思いつかない。せめてシーヴァ達が来るまで…そこまで思って自嘲した。
(…なんて馬鹿みたい)
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