第1章 碓氷真澄
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「真澄くーん!起きて!朝だよ」
真澄「んぅ…、監督…?」
「おはよう真澄く…きゃっ!」
真澄くんの寝起きが悪いのはいつものことだ。
いつものことだけど…
真澄「俺のベッドに来るなんて、朝から大胆…」
腕を引っ張られて無理やりベッドに引きずり込まれ、思い切り抱きしめてくる。
私は抱き枕か
「真澄くん、寝ぼけてないで起きなさい」
真澄「ん…おはようのキスは…?」
「しません」
真澄「ちっ」
舌打ちは聞かなかったことにしようかな…
「早く起きないと学校遅刻しちゃうよ?」
そう言うと、今まで寝ぼけていたのが嘘かのように目を見ひらいた。
真澄「じゃあ学校終わってからならいいってことか。起きる」
はい????
「えっと、真澄くん?私そんなこと一言も…」
真澄「監督、今日は速攻帰ってくるから待ってて」
真澄は今まで見たこともないくらいの笑顔を向け、先に部屋を出ていった。
「…どうしよ」