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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第11章 目眩がするほど


車の助手席に乗る。

佐久間さんの視線は、電話を続ける亮太へと向けられているようだった。



「誰?友達?」

「あっ…はい。
大学の同期です。」

「そう。」



一瞬…言葉を詰まらせてしまった事に、佐久間さんは気付いただろうか。

“昔の恋人です。”

ここは正直にそう答えるべきだったか…。

佐久間さんの視線は亮太へと向いたままだ。



このまま車を走らせてはくれないだろうか。



佐久間さんにはあまり私の過去を知られたくはない。

良い思い出ならまだしも、亮太の事など私自身も忘れたい過去だ。



電話を終えた亮太は、車に乗る私の姿をすぐに見つけた。



交わる視線。

私が見知らぬ男性と一緒にいる事に驚いたのか。

亮太は携帯電話を片手に、じっとこちらを見つめている。



「あの、行って下さい…」

そう言いかけた瞬間、突然佐久間さんはこちらの座席へと身を乗り出してきた。



助手席のシートに手を置き、私の顔を見つめている。

一体何をしようというのか…。



あまりにも近いその距離。

思わず頬が熱くなっていくのが分かった。






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