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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第11章 目眩がするほど


眼鏡を外し、佐久間さんは唇を重ねてきた。



いつもの“お帰りのキス”でも“おやすみのキス”でも“おはようのキス”でもない。



顎を持ち上げられ、激しく舌を差し込まれる。

助手席のシートへと身体を預けていた私はそれに従うほかない。

何度も何度も私の唇を奪っていく。

それはまるで…セックスの時ような“濡れてしまう”淫らなキス。



こんなにも人通りの多い場所で…ましてや亮太の見ている前で…こんなキスをするなんてとは思うが、拒みたいという気持ちは微塵もない。

私はいつも…佐久間さんのキスが欲しい。



ふと、目を開けて亮太の方を見る。

何かを察したような表情を浮かべ、ただ立ち尽くしている。

元カノが他の男性とキスをしている所を見て驚いたのか。



亮太は視線を反らし、こちらへと背を向けた。



信号は再び青へと変わり、立ち止まっていた人々が一斉に歩き出す。



まるで人の波に流されていくかのように、亮太は駅へと向かって歩き出した。



“さうなら。もう二度と会う事のない最低な人。”



そう心でつぶやく。



髪を撫でられ、絡まる唾液。

まるで悪い事をしているかのようなスリル感。



今はただ、ただひたすらに佐久間さんと唇を重ね続けた。






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