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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第11章 目眩がするほど


「私は明日早いからもう帰らないと…」

そうやんわりと断ろうとした時だった。



亮太の携帯電話が鳴った。



会社からの電話だろうか。

亮太はすぐさまスーツのポケットから携帯電話を取り出し、険しい表情を浮かべた。



「また嫁だ。
ここでちょっと待っててよ。」



そう言って亮太は人混みを避け、少し離れた場所で電話を始めた。

“待っててよ”と言われても、私にはもう亮太と話す事などない。

目の前の信号は青に変わり、立ち止まっていた人々は一斉に歩き出す。

このまま何も言わず立ち去ろうか。



そう思い、足を踏み出した時だ。

ハザードランプを点滅させた車が道路脇へと停車した。



大きな黒いベンツの四駆…。



すぐさま運転席を覗き見ると、そこには黒ぶちの眼鏡をかけた佐久間さんが乗っていた。



まさか、こんな所で会うなどとは思わなかった。

亮太に呼び止められた事よりも驚きだ。

ハンドルを握り締め、佐久間さんは少し不機嫌そうな表情を浮かべている。



そんな佐久間さんは、こちらへ向かって手招きをし、車に乗るよう訴えた。






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