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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第11章 目眩がするほど


「お前さ、同期の結婚式に行ったんだろ?
静香から聞いたよ。」



…静香。

佐々木静香。

披露宴で隣の席にいたあの女性だ。

「…うん。」と、当たり障りのない返事をする。



「俺も行きたかったのに嫁が許してくれなくてさ。」

「そうなんだ。」

「休みが取れるなら、子供の面倒が優先だって言われて。」

「赤ちゃん、産まれたんだね。」

「うん。もうすぐ1歳。」

「そっか。」

「もう毎日大変。

仕事から帰って来ても子供の世話で眠れなくて。
俺、子供が生まれてから6キロ痩せたからね。」



そうため息まじりに話す亮太の横で、私はただ相づちを打つ。

不思議と…亮太へ対しての不信感や怒りは湧いてこなかった。

きっとそれは、私の中で亮太は“終わった男”だからなのだろうと思う。

もう私の人生に関わる事のない存在。

亮太の口からどんな事を聞こうとも、もう私の心が揺らぐ事はない。



「ちょっとそこで話さない?」



亮太は近くにあるカフェを指差す。



一体…何を話そうというのだろう。

育児の不満を交えた嫁の悪口と、私との思い出話…といった所だろうか。






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