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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


本来であれば、この席に座っていたのは亮太だったのかもしれない。

それなのに、空気を読まずに私が出席してしまった…。

私は…何て愚かなのだろう。



ただ、うつむく事しか出来なかった。

隣の席からは私への嫌悪感を痛いほど感じる。

早く式が始まってほしい。

これ以上、佐々木さんと会話をするのは耐えられない。



その時だった。



重苦しい空気を破るかのように、私の左隣へと座った女性が大きな声をあげた。



「え!?橘さん!?」



目を丸くしている水色のワンピースの女性。

その女性も、名前は思い出せぬが大学時代の同期だった。



「何か…綺麗になったね。」

「いえ…そんな。」

「化粧してるの初めて見た。」



ぎこちない応えしか出来ない私の顔を、まじまじと見つめながらそう言う。



助けてもらえた。

ホッとして胸を撫で下ろす。

しかし、そんな私へと再び佐々木さんのトゲのある言葉が飛んできた。



「でも、橘さんは橘さんだよね。」

「そうだよねぇ。」



二人は手を叩きながら大きな声で笑い出す。



何て…不快なのだろう。



二人は私を間に挟み、お互いの近況を交えた自慢話を始めた。






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