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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


その時だった。

保健室のドアが開いた。



ノック無しに入ってくるのは彼女しかいない。

いつものようにクリームパンを片手に現れた彼女。

しかし、今日はいつもと少し様子が違った。



私と目が合うなり、彼女はばつが悪そうにうつむく。



「あのさ…教室で食べるから。」

「え?」

「今日から教室で食べる。」



そう無愛想に話す彼女の横には一人の女子生徒がいた。



小柄で瞳の大きな女子生徒。

高めの位置で結んだツインテールが良く似合っている。



…彼女のクラスメイトだろうか。



二学年に進級した際にはクラス替えがある。

彼女が孤立するきっかけとなった女子生徒…飯田理沙とはクラスが離れたはずだ。

その事で彼女を取り巻く人間関係も変わったのだろうか。

彼女の隣で女子生徒は純真そうな笑顔を浮かべていた。



「小松さん、朝倉さん、分かったよ。」



愛美先生は明るい声でそう応える。

彼女達は愛美先生に軽く礼をし、パタパタと廊下を駆けていった。






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