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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


「今のって…」

「二年生の朝倉さん。
確かバレー部だったかな?」



愛美先生はコーヒーカップをテーブルに置くと、名簿をパラパラと眺め始めた。



「あっ、小松さんと同じA組だね。
“朝倉瑠美”さん。」



“朝倉瑠美”

初めて聞く名前だった。



今年からは彼女のクラスの数学も受け持つ事になっていたが、私はもともと生徒一人一人の顔や名前は覚えない主義だ。

名簿を見ながら淡々と授業を進めていく。

生徒にとって私は“つまらない”教師かもしれない。



「愛美先生…生徒の名前覚えてるんですね。」

「うん。まあね。
保健室を利用した事のある生徒は大体覚えてるよ。」

「さっきの…朝倉さんってどんな生徒ですか?」

「気になるの?」

「はい…。」



正直、彼女の友人として相応しい生徒なのだろうか…という事が気になった。



余計なお世話だとは思うが、彼女の人間関係は把握しておきたいと思う。

私は彼女が心配だ。

もうこれ以上、彼女が傷付く姿は見たくないのだ。






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