第13章 てつろーくんとけんまくん(懐かし恥ずかし…夜久の小さい頃は?
夜「そういえば研磨が秋月の嫁ってどういうことだ?この間言ってただろ」
黒「そこから聞いてたのかよ」
筑『言葉の通りだけど?研磨くんはオレの初めてのお嫁さんなんだよ』
夜「いや、意味わかんねーから」
黒「俺たちがまだまだミジンコサイズなガキの頃のお話です」
筑『クロの話は無視していいから…実はオレ、小学生になるまで、母さんの趣味で女の子の格好させられててさー』
夜「秋月だったら似合いそう、1年のとき女子がなんで男の制服着てんだって思ったし」
黒「まぁ、わかる。でもあの頃の筑流、ガチで美少女だったからな」
筑「お前らうるさい、話を聞け。あの日もオレは女の格好で、クロが研磨くんを連れ回すのに付き合ってたんだ」
***
筑『てつろーくん、ちょっと休もうよ?けんまくん、グッタリしてる』
研「………」
黒「えー、しょーがねーなぁ」
筑『けんまくん、そこのベンチに座って待っててくれる?オレ、飲みもの買ってくるから』
研「……おれも、いく」
黒「じゃあ、おれがかってきてやる!けんまは、おとうとぶんだし。ツクルちゃんは、かのじょだからな」
筑『うん、じゃあよろしくねー』
研「…かのじょ、ってなに?」
黒「みらいの、およめさんのことだ。けんま!おれがいないあいだ、ツクルちゃんのことまもっとけよ!」
筑『こんなちっちゃい子に、なに無茶言ってるんだか…』
研「……ツクルちゃん…クロのおよめさんになるの?」
筑『んー…どうかなぁ?オレ自分がお嫁さんになるより、誰かにお嫁にきてほしいし』
研「クロじゃなくても、いいの?」
筑『てつろーくんは、お嫁さんにはなりたくないんじゃないかな?』
研「…ふーん……じゃあさ」
筑『ん?』
研「おれが、なる」
筑『え?』
研「ツクルちゃんの、およめさん」
筑『え?』
研「……だめ?」
筑『いや、ダメっていうか…え?』
研「ツクルちゃん、おれのこと、きらい?」