第7章 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば…
また子side---
私は今日、とんでもない噂を聞いた。
あの鈴木が、やはり真選組の久坂 双葉 であったこと、
そして、彼は実は女であったこと。
だが今の私にとっては、
前者の方は、問題ではない。
むしろ、問題は後者の方だ。
もしこの噂が本当の事であるならば、私は、彼を…いや彼女を、
女の彼女を、愛していたことになる。
だが、今となっては、
彼女を愛してしまった、という事実は、私の力ではもう、抵抗のしようがないほど、膨らんでいた。
彼女に対する敵対心よりも、
愛しさの方が、勝ってしまっている。
この気持ちをどうしたらいいのか、
まるで検討もつかない。
いっそのこと、彼女と共に、
死んでしまおうか、
そんな考えさえ、頭をよぎる。
玉の緒よ 絶えなばたえね 長らへば
忍ぶることの よはりもぞする