第5章 忍ぶれど 色に出でにけり 我が恋は…
土方side---
双葉が、言い出したことに、
とてもビックリした。
双葉)あ、ではこうしませんか?
私が先に、スパイとして乗り込む。そして、なんらかの方法で、あなた方に情報を流す。
なんて、どうでしょう?
その時はとっさに、
いいんじゃねェか、と
賛成するような感じに
なってしまったが…。
なぜだ…なぜそんなに、
自分から積極的に行動しようとする?
それが当たり前のことなのは、
十分理解している。
だが、心のどこかで、
誰かが泣いている。
…そんなに、総悟が?
お前の目を見ていると、
お前が実は、総悟が好きなんじゃないか、と思わず嫉妬してしまう。
総悟じゃなくて、オレを…
オレを見てくれ…!
結局、双葉がスパイしに行くことに決まってしまった。
双葉が、部屋を去ったあと、
愕然としていると、
不意に戻ってきた山崎が、
声をかけた。
山)副長ォ…
土)なんだ?
山)オレ、本当は、
副長が双葉さんを好きなこ
と、知ってますよ。
…!
え?
土)なッ!なんでそう思う?
山)だって副長、双葉を見るときの視線が、えらく優しい時があるんです。だから、好きなんじゃないか、と隊士たちの間で有名になってます。
忍ぶれど 色に出でにけり 我が恋は
ものや思ふと 人の問ふまで
なるほど、いつの間にか、
出ちまってたらしいな。