第2章 バロナ島の少女
『人の家に勝手に入って何をしようとしている?』
背後から女の声がした。腰に刀をさした女が。
ゾロは勢いよく起き上がり戦闘体勢に入ろうとしていたが、
ルフィはその女をじっと見つめて
ル「お前誰だ?」
と聞いた。
『この道場のものだ。お前達は道場破りでもしようとしていたのか?』
ゾ「ちゃんと鍵くらいしとけよ」
『まさか勝手に入って寝ようとしているなんて誰も思わないだろう?盗みだったとしてもこの道場には価値のある物なんて何も置いていない。大事なものは常に持ち歩いているのでな』
と言って刀を見せた。
『そもそも私を見て何も思わないのか?ルフィ、』
ゾ「は?」
『ある島で森をさまよっていたら道場に着いて仲間と一緒に寝ようとしたら、フウシャ村であっていた幼馴染と感動の再会。と、私は思っていたのだが?』
ル「……あ!お前コハルか!!」
『全く気づくのが遅いぞ、』
ル「お前そんな口調だったか?」
『…変えたんだ、無理やりな。』
ル「そうか、にっししし!」
ゾロは頭が追いつかなかった。
この女がルフィと幼馴染?何を言っているんだこいつらは。
頭の上でハテナが出る程、ゾロは考えていた。
それに気づいた女は
『そうか、自己紹介が遅れたな。エスカポール・コハル
一応賞金首になっているらしいが額は知らない。ルフィとはフウシャ村であった幼馴染だ。いつもルフィが世話になっている』
と頭を下げて言った。
こんなに礼儀正しいやつがルフィの幼馴染なわけがない。
内心そう思っていた。
ル「お前賞金首になるような事したのか?」
『…まぁな……』
コハルの顔が一瞬曇った事は2人にはわからなかった。
ゾ「じゃあなんで自分の金額を知らないんだ?」
『こんな森の奥だ。手配書も届かない。そもそも自分の手配書なんて見たくないんでな』