第4章 初めて
数時間後__
あたりはすっかり暗くなり、疲れたせいか、コハル以外の人は全員寝ていた。コハルは気分転換に外に出た。
『……』
コハルが静か目を閉じようとしたその時__
ゾ「ここにいたのか…」
コハルの後ろで、ゾロの声がした。
ゾ「こんな所にいると風邪引くぞ」
『私は平気だ。それを言っているゾロも風邪を引くだろう』
ゾ「俺は男で剣士だ。風邪ごときでヘタれる程やわじゃねぇよ。お前が風邪引くとルフィがうるせぇしな」
『それもそうかもしれないな』
そんな素っ気ない会話をしているとコハルがゾロに話しかけた。
『…私と初めて会った時、覚えているか?」
ゾ「あー…道場で会ったな」
『その時、私をどう思った?』
ゾ「……何でそんなこと聞くんだ?」
『気になったからだ。』
ゾ「ふーん…」
ゾロは少し考えてから話し出した。
ゾ「正直言って初めはお前が苦手だった。コレがルフィの幼馴染かって疑ってた。やけに強気だし、男みてぇな口調だったしな」
『……』
ゾ「けど、お前が泣いてるのを見て…やっとお前への苦手意識はなくなった。今はもう仲間だ。」
『…そう…か…』
コハルはまた泣きそうになっていた。それに気づいたゾロは
ゾ「お前が意外と泣き虫だってことも分かったしな」
コハルをからかうように笑った。
『私は泣いてなんかない……!』
ゾ「説得力ねぇぞ」
『…っ……泣いてなんか…!』
ゾロは不意にコハルを抱きしめた