第2章 バロナ島の少女
そう聞くとコハルは素直に話してくれた。
『アンダー・マークス。私に人殺しを命令している張本人だ。マークスは気に入ったやつを力尽くで自分のものにしようとする。そのうちの1人が私だ。マークスの部下になった者は、いわばほぼ奴隷と同じような扱いを受ける。』
そう言ってコハルは自分の左腕に書かれた刺青を見せた。
『マークスの部下全員の左腕にこの刺青が彫られてる。』
心臓を握り潰している不気味な刺青だった。
サ「…コハルちゃんも何かされたからそいつの部下になってんのか?」
『まぁ…そうだな……家族が人質に取られてるんだ…』
サ「……」
『私の一族は戦闘に特化した少数民族みたいなんだ。それを聞いたマークスは「もし裏切るような真似をしたら家族を殺す」と言った。それが3年前の話だ。今となっては殺しが当たり前になってしまった。』
サ「辛かっただろうな…」
サンジはコハルを抱きしめた。
『……いや….でももういいんだ……あと2年耐えれば解放される…たった2年で…また家族が戻ってくるなら…私はそれでいい…」
サ「…よくねぇだろ…」
『…頼みがある……この事を……
ルフィにだけは伝えないでくれ』