第2章 第1章---
_「お、おはようございますッ、様。」
現れた私を前に、天人が 慌てて
挨拶する。
別に、なにもしないのに。
あんなに嫌いだった、天人が
今では私の、部下だ。
_「あ、あと、様。
朧様が、呼んでおられました。」
_「分かった。今から向かう。
お前は、私が戻るまでに今日の
スケジュールを、把握しておいてく
れ。 」
_「はい、わ、分かりました。」
どうやらそいつは、私のことが
怖いらしい。
何が怖いのか、私にはまだ理解でき
ない。
ま、こう見えて、私は奈落の隊長
だ。美貌と、圧倒的な強さを持った私
は、攘夷戦争後、奈落に拾われた。
この世で最も憎んでいる奴等に、
連れてこられたのだ。
だが、この誘いを断れば、
私はもう、餓死しか 道がなかった。
だから仕方なく、奈落にいる。
そんな奈落の頂点にいる男、
朧が今さっき、私を呼んだそうだ。
頭には、従わねばならない。
なので私は仕方なく、彼のもとに向
かった。
だが、本当は逃げ出したい。
転機は、訪れないのだろうか…
ワタシには。