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恋を教えてください。

第5章 もつべきものは友?



小林くん曰く、私はまだ恋を分かっていないとの事。

その為、あの日から小林くんと付き合うようになった。

そして今日は小林くんからのお誘いで、一緒に下校中。

《両思いになったもの同士は付き合う》
《付き合っているもの同士は一緒に下校する》

これらを新しく恋のレポートに追加しておこう。

「神崎さん、何書いてるの?」

「レポートです。」

「レポート?何の?」

彼の顔が近づくと小さく心臓が跳ねるのが分かる。

でも、嫌な気分ではない。

私が小林くんの事を好きという事の現れなのだろうと、今は分かるからである。

「まだ書き途中ですので、お見せする事は出来ません。」

「えーそうなの?じゃあ、書き終わったら見せてね!」

「考えておきます。」

わざわざ一緒に帰る意味が理解できなかったけれども、何だか少しだけ分かったかもしれない。

好きな人と帰る道は、いつもと違って暖かかった。




〜小林said〜


神崎さんと付き合い始めて一週間が経とうとした頃。

「修也!お前最近付き合い悪いじゃねーか。」
こいつは俺の親友と言っても良いくらいの友人の一人、荒木連。
口は悪いけど、友達思いの良い奴。

「何かあったのか?」
こいつも親友の雪村直樹。
穏やかな性格で、頭もいい。俺たちの兄貴みたいな存在だ。

「ごめんごめん、実はちょっと…か、彼女が出来まして…」

「…はぁ?!?!」

「ちょ!連、声でかい!」

俺たち3人は2年になってから知り合ったけど、毎日一緒に学校生活を送っていた。

当然仲もいい。僕と連はたまに喧嘩しそうにはなるけど、そんな時は直樹が間に入ってくれる。

確かに最近神崎さんと話す事が多くなって付き合いが疎かになっていた。

そろそろ報告しておいた方が良いだろう。

「そうか、遂に付き合う事になったのか。おめでとう。」

「え、遂にって…直樹、もしかして…」

「お前の態度を見ていれば、好きな人が出来た事も分かっていたよ。」

流石直樹…

でも、そんなに僕の態度は分かりやすかっただろうか。

「直樹!何で教えてくんなかったんだよ!そしたらオレ、修也に協力したのに。」

「お前に教えたらうっかり口を滑らしかねないだろう。それに、こういうものは本人が頑張らないとな。」

「くっ…確かに…」

「ありがとう、2人とも。」

彼らが友達で良かった。
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