第5章 貴方は誰?
食事が終わり、お皿を二人で片付ける。
な…何か、普通に前から俺ここで住んでましたよー見たいな感じで、物のある位置や場所を知っていた。
やっぱり、この人怪しい。
彼を横目で見ていると突然目が合う。
??「どーしたんすか??」
主「!?いや!何でもないよ!!」
彼の目から視線を外す。
片付け終わったら、ちゃんと聞かないと……。
そー言えば。
きーくんの為にお花を買ってきたのを思い出す。
私は急いで花瓶を用意し、きーくんの遺骨のある場所へ向かう。
黄色と白の花束を花瓶に添え。
前に散歩した時に二人で撮った写真を飾った。
主「……きーくん。綺麗なお花買ってきたよ」
写真を見ると色々思い出してしまい、涙が出そうになる。
??「………………。」
いつの間にか側にいた彼を見ると、悲しい顔をしてこっちを見ていた。
??「大丈夫っすか?」
頬を触ると涙を流していた。
主「あ!ごめんね?大切な家族が亡くなったの。
捨て犬でさ、最初会った時泥まみれで、マンション動物買っていい場所だったから拾ってきたんだ、やんちゃで寂しがりやで優しくて……。大好きだった。」
彼は私の話を何にも言わず聞いてくれた。
二人の中に数分沈黙が続いたあと、私は口を開いた。
主「ねぇ……」
??「??」
主「貴方は誰なの??」
私の言葉にびっくりしたのか彼の目が大きくなる。
主「昨日、貴方は私が仕事に遅刻する事を知ってたし、名前も知ってた。あ…あと!部屋の物の場所や位置もわかってる。私達、初対面だよね?貴方の名前は?どこから来たの?」
??「………………。」
私の質問に対し、彼は下を向き黙り混む。