第13章 最後の時間
主「うそ・・ありえない・・。」
黄「隠しててすんませんっす」
黄瀬さんが、私の顔見てニコッと笑う。
今話した事は全て事実だった。
きーくんの事は身近の人にしか話していない。
主「信じられない・・。なんで人間になって戻ってきたの??」
黄「あ~・・それはっすね。色々とありまして・・けど。」
真剣な顔で、私を見る。
黄「死ぬ時に、願ったっす!鈴音っちは、俺の事助けてくれたのに、俺はなにもしてない。まだ、死にたくない!会いたい!って!」
主「わ・・私、きーくんに何もしてない・・。逆に!きーくんは私の支えになってくれた。なのに私は・・。」
突然、涙か溢れ言葉が出なくなる。
主「あ・・あの時・助けれなくて・・。」
黄瀬さんは、私の体を引き寄せ、強く抱き締める。
黄「辛い思いさせてすんませんっす。」
主「ごめんね・・ご・ごめんなさい・・。」
彼の腕の中は暖かくて、居心地が良かった。
死んでしまった、きーくんが人間になって、私の目の前にいる。
主「黄瀬さん、、きーくん。もう、どこにも行かないで。。」
黄「.......。」
私の言葉に戸惑ったのか、少し間が空き、話し始める。
黄「鈴音っち。それは、無理っす。」
主「え?」
両手で私の肩持ち、ゆっくりと体を離す。
黄「もう、俺には時間がないっすよ。今日で最後っす。」