第11章 思い出の場所
歩いてから数分。外はもう、薄暗くなっていた。
主「ねぇ?どこに連れていくの?」
黄「もう少しっすよ」
黄瀬さんは何も言わず歩く。
どこへ行くんだ…けど、この道私、知ってる…。
"着いたっすよ"
そう言うと、私は目の前の景色を見た。
ついた場所は、私の知っている場所だった。
主「な…なんで……ここって…。」
その場所は、きーくんとクリスマスの日に来ていた私のお気に入りの場所だった。
少し山の中を歩くと広場と外灯しかない所だけど、街全体を見渡せる、私の一番のお気に入りの場所。
けど、誰にも教えたことがない。
黄「どおっすか?お気に召しましたか?」
主「な!何でこの場所知ってるの?!」
ニコっと笑い、景色の方に目を移す。
黄「……そろそろ、話しますか。俺の正体。」
主「………………。」
黄「少しだけ、付き合って下さいっす。昔話に。」