第9章 隠し事
買い物をしたので帰りが遅くなってしまった。
私、急いで家に帰る。
玄関に着きドアを開けと、やっぱり玄関で待っていてくれていた。
黄瀬さんは壁に寄りかかり寝ていた。
主「寝てる。」
まずは、買ってきた物隠さないと!と思い、プレゼントを棚に隠し、玄関へ戻る。
主「黄瀬さん?そんな所で寝たら風邪引いちゃいますよ??」
私は彼の目の前にしゃがみこみ、体を揺さぶる。
黄「ZZZZZ…」
起きる気配がない。
主「おーい。黄瀬さーん」
もう一度、体を揺さぶると、うっすらと目が開いた。
主「黄瀬さん、ここで寝たら風邪引きますよ?」
黄「鈴音っち………」
彼は寝ぼけているようで、私の顔をじーっと見た瞬間、私の体を抱き寄せる。
主「//ちょっと!黄瀬さん!寝ぼけてるんですか?」
私の言葉に「んー」としか言わない。
はぁっとため息をつき、彼の背中に手を回し抱き締める。
体を触ると、やっぱり男の子だな。と感じた。
黄「今日は、俺の事突き飛ばしたりしないんすか?」
主「ふふっ!もー慣れました!」
黄「とか言って~いつも突き飛ばすじゃないっすか~」
主「えっと……ごめんね??」
私が謝ると大丈夫っすと言い笑う。
黄「…………鈴音っち」
主「なに?」
黄瀬さんが私から体を離し、思い詰めた表情で見る。
主「どしたの??」
黄「実は…おれっ……。」
と、何かを言おうとしたが途中で下を向き話すのを止め
黄「あーー!!やっぱりやめたっす!」
立ち上がり、髪の毛を掻き回す。
主「えぇ!!なに?気になるじゃん!」
黄「それより!今日、DVDを借りてきたから一緒に見るっすよ!」
主「あ!話してずらしたな!」
黄瀬さんは、なにも言わずリビングへ向かった。
何を言いたかったんだろう。
それに、あの表情……。今にも泣きそうな顔していた。
私はそのあと、何を伝えたかったのか聞かなかった。
むしろ、聞けなかった。
黄瀬さんは、私に隠し事をしている。