第2章 プライド×劣等感
そして、中学を卒業した私は、近所の普通科高校に通い始めた。
勝己くんも、出久くんもいなくて、本当にひとりぼっちになってしまった。
怖かった。
「安藤さん、だっけ?私、隣の席の関!宜しくね!私の個性はね____」
と話しかけてくれる人もいた。凄く、うれしかった。でも、
「安藤さんの個性はなに?」
「わ、私の個性は……。」
個性を、言えなかった。だから、
「個性、ないんだ。」
「……へー、そーなんだ。」
その日から、声をかけられることはなくなった。
出久くんとも勝己くんとも学校が違うから全然会わなくなった。
また、人見知りアンド内弁慶を発症して友達も出来ないし自分から声をかけることもできないし。
個性なんて、なかったら、無個性なんて概念無くなるのに。
個性なんか無くなっちゃえばいいと何度思ったか。
一人ぼっちは、怖いんだ。
もともと泣き虫だった私は、少し、泣くことが増えた。
ある日、新聞に雄英高校のことがのっていた。
敵集団に襲われた、と。
お腹の下のところがひやっとした。怖かった。出久くんや勝己くんに何かあったらどうしようと。
でも、大丈夫だったらしい。
撃退しちゃったんだって。テレビや新聞で凄く賞賛されていた。1Aすごい!凄いヒーローのたまごだ!……って。
これもやっぱり、嬉しかったけど、寂しかった。
そばに、いて欲しいなんて…傲慢かな……。
そのまた数日後、家に帰ると、おばさんが誰かと喋っていた。