第1章 ある夏の日【跡部甘夢】
今日も…暑い…
夏とはいえ…幼稚舎の頃はもう少し涼しかった気がする。
「...おい。聞いてんのか。」
「あ、ごめん。ぼーっとしてた。」
「俺様の話を無視するとはいい度胸だな、あーん?」
俺様モードが始まった彼に、えへへ、と笑って誤魔化す。
彼の俺様な態度は今に始まったことではないし、
それに伴う実力もあるから気にしていない。
本当に中3?と思うこともあるけれど。
「で、何ですかアトベサマ。」
仰々しく言ってみたら少し睨まれました。
「夏休み中の話だが…部活のない日が少しあるからどっか付き合え。」
「みんなで?」
「部活中も一緒のあいつらと休みの日まで一緒にいたくねーよ。芽衣とに決まってんだろ。」
少し、顔が火照るような感覚。
そうね、きっとこれは太陽のせいだわ。