【黒子のバスケ】カラフルの中で~限りある時を共に~
第4章 買い出しはご用心
各自の買い物も終わり、今は食材リクエストを書き記されたメモを片手に、はどんどん籠を埋め尽くして行く。
その様子を少し後ろから既にカートの上下を満杯にされた籠を乗せ、黄瀬と翔は二人並びついて歩いていた。
『翔君てさ、どうしてそこまでさんの心配をするの?』
『えっ、意外な質問だね。黄瀬君て姉ちゃんに興味ないと思ってた』
『へ?興味があるないって話かな?』
『じゃない?興味のない人の事、知りたいとか思わないでしょ?とくに黄瀬君は』
『どういう意味ッスか?』
少し低いトーンで話す黄瀬の様子に、気にさわる事言ったかなと翔は少し反省しつつも、やはり黄瀬の明るく社交的な笑顔の裏は笑っていないように見えただけに、翔もまた真面目な表情に変えた。
『深い意味はないよ、黄瀬君は周りを良く見ているから無意識に周りに合わせようとしてるんじゃない?少なくとも今の状況でヘラヘラ笑える程子供ではないよね。』
『・・・・』
暫くの沈黙が流れる
黄瀬はただ前を身構え無言でカートを押していたが、少しの間を置き溜息をついた。
『な~んか翔君てやっぱりさんと兄弟ッスよねぇ、妙に落ち着いてるし、無駄がないっていうか・・。マジ敵わないっすわ』
『そんな事はないよ、きっと俺や姉ちゃんが今の黄瀬君達の立場だったら、黄瀬君程冷静ではいられなかったよ。そうゆう点では黄瀬君てやっぱカッコいいなって素直に尊敬する。』
『俺を尊敬?そんな事言われた事ないッスよ。』
『言わないだけで、黄瀬君に憧れているバスケット選手は沢山いると思うよ。』
『そっすかね~。』
軽く受け流しながらも、僅かに照れからか顔を赤らめる黄瀬に、口元が緩む。
『姉ちゃんの事だけど、心配するのには理由があるんだ。』
『なんすか?』
『・・姉ちゃん、男性恐怖症なんだ。』