第6章 これは同棲なのか間借りなのか。
「…由架。俺との関係どう思ってる?」
車に乗りこんだとき、裕は私に聞いた。
「どう思ってるってどうゆうことですか?」
私は意味が全くわからなくてそう返してしまう。
「遠巻きに言い過ぎたな。」
裕はそう呟く。
そのあと少しだけ息を吸って、
「俺は、由架との関係を隠すことあんまりよく思ってない。由架は俺の彼女なんだって言いたいし、もしそんな質問されたとしても今は違うって言わなきゃいけないのが正直嫌なんだ。だから由架はどう思ってるんだろうと思ってな。」
という。
彼はいつもそこまで話し込んだりしないのに、あれだけ言うのだからかなりそう思っているんだろうなって思う。
それに私もそれはいいだなんて一切思ってない。
「…私も今のままは嫌です。けど、それを周りにいえば会社では部長って言う裕の立場が無くなるんじゃないかって。それで裕が何か嫌な思いがするならそれは嫌なんです。」
私は自分の思いを言った。
すると裕は呟いた。
「…嫌なことなんてない」
小さな声だったけどすぐに響いた。
「帰るか。気を悪くさせたなら悪かった。」
そういって裕は車を発進させた。
帰宅までの間、私と裕が会話を交わすことは無かった。
帰宅してもしばらく会話することは無くてお互い自室へと戻ってしまった。
今日の残業はそこまで長くも無くて八時くらいには家に帰れた。
けれどこんなのじゃ、早く帰ってきてもそこまで意味なかったなと思ってきたとき。
玄関のチャイムがなった。