第6章 これは同棲なのか間借りなのか。
裕Side
付き合い始めて一ヶ月がたった。
何の進展も出来ない。
いや、正確には勇気がない。
普通男がリードするのだろうが、俺はそんな経験などこれっぽっちもない。
こればかりは学生時代勉学ばかりしていた自分を恨む。
由架 が歳上で付き合ってるのに敬語なのもすごく気になっている。
けど自分に至らない部分がありすぎてそんなこと言えない。
けど呼び名だけはどうしても気になって、あの日それだけ言った。
気にしてたのは向こうも一緒だったみたいだが、他に何の発展もない。
職場では由架の働きが前よりよくなった。
割と分かりやすい性格なんだなと思う。
素直と言うか。
自分の気分がよければそれだけ仕事がかなり捗る。
だが、なにかに落ち込んだりするとそれにを気にしすぎるあまり中々仕事が進まない。
そんな性格なんだろう。
それを見て俺はまた1つ彼女のことを知れたと内心喜ぶ。
俺も単純で、それを見てかなりいろんな事が捗っていた。
自分は由架よりも年下で。
多分彼女は俺のことを年上だと思っていたような素振りだった。
彼女はそれを気にしているのだろうか。
男から見れば年下の女でも別に気になることはあまりないと思う。
けれど女から見れば自分がこれから引っ張ってもらう人間が年下なのだから気になるんじゃないか、頼って貰えないんじゃないかって不安が過る。
それに以前莉架さんからこんな話を聞いたことがあった。
「あの子の彼氏、歴代でほとんど年上なのよね。」
この話は前たまたまカフェで会ったときに聞いた話だった。
それがもう気になって気になってしょうがなかった。
そのうち俺に飽きないかとか。
俺のことを重く感じないかとか。
初めてのことはわからないことばかりで、何から手をつけたらいいかわからない。