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Diable Patron

第5章 一晩の過ち。


あっという間に残業は終わった。



「日向、今日もよくやった。」


そういって書類を片付ける部長。



「いつもどおりですよ。部長もお疲れさまでした。」


私はそう声をかける。



PCの電源を落として二人で会社を出る。




部長の車に揺られて部長の家までいって。



そこから二人で家飲みをする。ここ二週間のルーティーンだ。



机にはお酒といろんなおつまみが並んでいる。



そして今日は部長が手料理を振る舞ってくれていた。



「できた。」



そういって机に並べられたのは本格的過ぎて目を向くくらいのパエリアだった。




「え?これ部長が作ったんですか?」



私が問いかけるとコクリと部長は頷く。




一口食べてみれば味も見た目通り美味しくて更にビックリした。



そのあともいろんな他愛のない会話をする。



私はいろんな話が落ち着いたあと、部長に言った。



「あの前の間借りの件なんですけど…よかったら間借りさせてもらいたいです。新しい部屋が決まるまででもいいので。」



すると部長はなぜか少し嬉しそうな顔をして「あぁ。わかった。次の日曜休みにしとく。その日に引っ越しでどうだ?」と言った。



「はい、大丈夫です。」



私はそれに対して笑顔で返事をする。



このほのぼのした雰囲気がなんだか好きだった。



そのあと私はおつまみを食べつつお酒を飲んでいたが、飲むスピードがだんだん早くなり気づいた頃にはもう相当酔っていた。



「部長~…おかわりっ!ビール!」



「次でやめておけ、日向。」


部長はさっきからそう二、三回は言っているがそういいながらもお酒を入れてくれる。



私の悪酔いは悪化する一方だった。



そして私はだんだん考えていることをそのまま口に出すようになってしまう。
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