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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第12章 過去


そのニュースは明希も見ていた。人よりも頭のいい明希は、すぐに原因が何かわかっていた筈だ。そして、ニュース報道された2日後、明希は辞職届けを出してボーダーを去った」

城「私達が知っているのはここまでだ。何か質問はあるか?」
三「1ついいですか?」
城「なんだね?」

沈黙が流れる中、メガネ君が手を挙げた。

三「藤咲先輩の黒トリガーが風間進さんなら、ボーダーを辞めた後に2人が接触した事になるのはわかります。ですが、小南先輩は、藤咲先輩の御家族の事を知らなかったみたいですが、その情報を伝える人を限っていたんでしょうか?」
城「あぁ。当時の小南には衝撃が強過ぎるし、何より調子を狂わせる可能性があった。当時知らなかったのは小南だけだ」
小「え?じゃあ進さんは知ってたって事!?」
城「最初は進にも言わない予定だったが、どっかのアホが口を滑らせたんだ。『明希の居場所を教えてくれ』とすごい剣幕で言われてな、やむを得ず教える事になったんだ」
林「アハハハ...」

進さんが明希の事情を知ってたなら、施設に面会しに行く事も出来る。そう言えば、第一次大規模侵攻の担当地区を決める時、明希の施設のある方を指差して『あっちの担当をさせて欲しい』って真剣な眼差しで頼んでいたのを思い出す。何でそんなにも明希の所に行こうと...?

林「...ん...迅!」
迅「え?あ、何?」
林「何じゃねぇよ。さっきから何考えてんだ」
迅「えっと...大した事じゃないんだけど、第一次大規模侵攻の時、進さんが明希の施設の近くに行ったでしょ?どうしてそこまで明希を心配してたのか気になって」
小「あんた、そんな事もわかんないの?」

小南が腕を組んだ姿勢で俺の疑問を一刀両断した。

小「あんたは明希が好きなんでしょ?その"好き"はどう言う意味の"好き"好きなのよ?」
迅「幼馴染としても好きだけど、それ以上に1人の女の子として好きだよ」
小「じゃあ、あんたはトリガーを持ってない明希が近界民に襲われてるかもしれないのに、助けに行かないの?」
迅「そんなわけない!絶対助けに行く!」
小「そういう事よ。進さんもあんたと一緒よ。大事な子を守りたくて、傍にいるのよ」

まさか小南に気付かされるとは思わなかった。伊達に明希の親友やってないな。

迅「ありがとう小南」
小「当然よ」
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