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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第7章 暗躍


その日の夜、僕はなかなか眠りに付けなかった。

あの後、ボスが落ち着いてから3人で玉狛まで帰った。歩いている途中で一瞬だが、悠一が風刃を手放す考えが流れてきた。
僕は当然驚いた。師匠の形見である風刃を悠一が手渡す?そんな事はあってはならない。が、そうせざるを得ない状況になるのか、それともそうする事が作戦の内なのか...。
僕は悠一と最上さんが離れる事は望んでいない。2人が離れてしまうくらいなら、僕が黒トリガー所持者である事を城戸さんに話して、本部に転属する方が絶対良い。そうなると桐絵との約束をまた破ってしまうかも知れないが、所属が変わるだけで玉狛に行こうと思えばいつでも行ける。

そこまではいい。ただ僕が本部に行った場合、悠一はどうなるだろうか。今日も悠一は暗躍で帰ってこない。
未だに悠一の話を聞いてあげれてない状態で、本部に行くことは出来ない。日中は僕も仕事があったりするから、こういう夜の落ち行ける時間帯が望ましい。
そうして悩んでいたら、眠気が吹っ飛んでしまったのだ。このまま寝ていても仕方ないと思い、静かにリビングへ行く。
途中、リビングから明かりが漏れているのが見えた。まだ誰か起きているのだろうか。
そっとドアを開けて部屋を見渡すも誰もいない。電気の消し忘れかと思ったが、よくよく見たら出掛けたはずの悠一がソファで寝ていた。
こんな所で寝たら風邪引くと思い起こそうとしたが、悠一の目の下にクマが出来ているのに気づき、起こさずに毛布を掛けた。
この前一緒に寝た時には付いてなかったのに.....。もしかしてその時はトリオン体だったのか?
僕は溜息をつく。こんなになるまで放っておくとか不健康すぎる。
僕は悠一にSEを発動して隣で目を瞑る。

◇◇

翌朝、僕を呼ぶ声で目が覚めた。声の主は悠一。

僕「おはよう。」
迅「ん...おはよ。あと、ありがとね。」

そう言って僕の頭を撫でる。一瞬何の事か分からなかったが、直ぐにSEの事だと思い至る。
目元のクマは完全に消えた訳ではなかったが、昨日よりも薄くなっていた。



2人で朝ごはんの支度をする。調理中に

迅「なんか新婚さんみたいだね〜」

と言った時は驚いて、変な声が出てしまった。いきなり何を言い出すんだこいつは。
悠一はこの反応を見て「予知通りで嬉しいよ」とめっちゃ笑顔で言った。何が嬉しいんだ、何が。
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