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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第6章 入隊


みんなが食べ終わって、やっとボーダーの話になった。
3人ともしっかり話を聞いていたが、中でも千佳ちゃんがとても熱心に聞いていた。
すると、いつの間にか席を立っていた悠一が戻って来て、3人に今日はここに泊まっていくように勧め、千佳ちゃんと栞ちゃんには部屋の準備を任せ、僕と修君と遊真君は悠一と一緒にボスの部屋まで行く。

迅「失礼しまーす。3人を連れてきました!」
林「来たな」

若干散らかったデスクの向こうに座っているボスが、タバコの火を消す。

林「お前が空閑さんの息子か。初めまして。俺は林藤匠。ここの支部長をしてる」
空「どうも」

2人とも軽く挨拶を交わす。
玉狛支部は遊真君を捕まえる気は無い事をしっかり伝え、話は有吾さんのことに変わる。

林「1つだけ教えてくれ。お前は親父さんの知り合いに会いに来たんだろ?その相手の名前は分かるか?」
空「...モガミソウイチ。親父が言ってた知り合いの名前は、モガミソウイチだよ」
林「そうか...やっぱり最上さんか...」

悠一とボスの顔が陰る。そう言えば、ボーダーに入ってから最上さんを1回も見ていない。
何処かフラフラしてるのかと思っていたが、2人の表情からそれは違う事がわかった。

林「最上さんはボーダー創設メンバーの一人で、有吾さんの競争相手だった。そして、迅の師匠だった」
(『だった』?何で過去形...!)

そう思うと同時に、全てを理解した。
悠一が腰に付けていたトリガーをデスクの上に置く。

(あぁ、そういう事か。最上さんもなんだ...)
林「この...迅の黒トリガーが最上さんだ」
僕「...いつですか」

今まで黙っていた僕は震える声でボスに問う。

林「5年前だ」
空「そうか...このトリガーが...」

抑揚のない遊真君の声。ボスが最上さんのプチ昔話をして、玉狛に遊真君を勧誘する。

林「どうだ?玉狛支部に入んないか?」
空「それは...」

◇◇

部屋に戻りながら考える。
遊真君の答えは『NO』だった。僕自身は遊真君にボーダーに入って欲しかったが、本人が入らないと言っているのに誘うことは出来ない。
でも、ボーダー入隊の話自体は遊真君にとっても悪い話じゃないと思う。

部屋に入り、机の上に置かれた写真を見る。僕はさっきの話と昼の話を思い出し、トリオン体になって布団に倒れ込んだ。
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