第3章 再開
目が合った男の子は、すぐにピシッと固まってしまった。
僕「あの、大丈夫?」
スーツの人「え...あ.....う...ん...」
僕「??」
出「悪ぃな。こいつ女子ダメなんだわ」
僕「え?」
若「訳あって女の子が苦手で、女の子を前にするとこうやって固まるんだ」
僕「そうだったんだ。ごめんね」
謝って3m程距離をとる。
すると、男の子は少し緊張が薄れたのか、強ばっていた肩が自然な形に戻る。
そんなにダメなのか。悪いことしたな...。
三輪「気にしなくていい。藤咲は辻とは初対面なんだ。知らなくても仕方ない」
僕「うん。ありがとう」
茶髪の人「そう言えば俺達の自己紹介してなかったな。俺は奈良坂透。三輪隊の狙撃手をやっている。六頴館学園って言う進学校に通っているから学校では会わないが、好きに呼んでくれて構わない。よろしくな」
僕「あ、僕は藤咲明希。最近こっちに引っ越して来たの。よろしくね」
奈良坂「あぁ。で、さっき固まってたのが辻新之助。二宮隊の攻撃手で、俺と同じ学校に通っている。辻の事は出来れば名字で呼んでやってくれ」
僕「わかった。辻君、よろしくね」
辻「うん...よろしく...」
あ、この距離なら話せるんだ。よかった。一生話せないかと思った。
米「そう言えば、藤咲はなんでここにいるんだ?」
僕「えっと...」
ここに来た経緯を話し始める。さっきの悠一同じように、何人かの顔が少し険しくなった。
全員「.....」
そして流れる沈黙。なんかデジャブな予感。
全員「次から、街に行く時はこの中の誰かと一緒に行け」
僕「え、あ...ハイ」
あ、ちょっと違った。
僕「でも、辻君は大丈夫なの?」
辻「俺は...もう一人...誰かが居てくれたら...一緒に行けるから...」
透の背後に隠れながら返事をしてくれる辻君。
なんと言うか...可愛い。自然と笑みが零れる。
僕「そっか。ありがとう」
三浦「今から帰るなら皆で送っていくよ?」
僕「ううん大丈夫」
隠「誰か待っとるん?」
僕「うん。さっきもう少しで着くってLINE来てたから」
出「じゃあその人が来るまで一緒にいる。暗い中で女子1人は危ないからな」
僕「ありがとう」
17歳組には優しい人が多いな。と思っていると、「明希ー」と僕の名前を呼ぶ声が聞こえて来た。
僕「あ、来た」
17歳組「え...?」