• テキストサイズ

【薄桜鬼】桜花恋語

第3章 最初で最後の恋




「…ずるいって、わかってる…歳さん気にするの、分かってて、私は…」



「…っ、馬鹿野郎…!」



震える声音にたまらず、細い体を抱きしめた。




「…だって、好きなの…愛してるの。だから、嫌…私は、足かせになんかなりたくない。いつだって、貴方の背を押せる存在でありたい…!」





俺の背に縋るようにして、泣きながら紡がれる言葉は、




あまりにも、切なくて。

どうしようもなく…甘く、響く。





「…お願いだから、背負おうなんて思わないで。私は、幸せになるの。誰よりも、幸せに…なるから、だから…迷わないで…」



あなたの進もうとする道を、どうか迷わないで。

あなたの叶えたい夢を、どうか迷わないで。


そしてどうか、私にも。







あなたと同じ、夢を見させて…。








「…あぁ、わかった…約束する。何があっても、俺は武士になる。決して、諦めたりしねぇ」


ぎゅう、ときつく抱きしめれば、更に縋るように背を掴む腕に、胸を締め付けられて。



この約束を、決して違えたりしないと、己に誓う。



/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp