第1章 *。恋...?
少しだけなら
そんな悪事が働いてか気持ちよさそうに寝息を立てる彼の頭にキスをした。
が、起きる気配もなく寝ているのでまだ大丈夫だろうというとんでもない事を考えてしまう。
いけない。
こんな所を見られたら完全に信頼が薄れるな……
「あらあら♪ 随分とときめく事をしてるじゃないの〜」
「うぁっ!?」
突然の登場に驚きが隠せず思わず声を上げてしまった。
あ、りったんが起きてしまう。
「うぅ〜ん……」
よ、よかった。起きない。
それより嵐姉さんに見られてしまった。
や、ヤバイ。どうしたらいいんだ。
「うふふ♪ 大丈夫よ? ミトちゃんがリッちゃんにキスしてた、なーんて言わないから♪」
心がきゅんきゅんしちゃった♪と頬に手を当てて嬉しそうに笑う嵐姉さん……
「わかるわぁ、ワタシも放っておけない子大好きよ♪ 可愛く寝息を立てる子にキスしたくなる気持ちもよくわかるわ♪」
「あ、えっと、これは事故なんで気にしないで下さい」
思わず嘘を言った。
まぁ事故ちゃ事故なんだろうが……いや、事故なのかこれは。
「あら〜?そうなの?ワタシの勘違いかしらァ? 事故には見えなかったけど 」
「うぐ……」
チラチラとそれは嘘でしょ?
という顔で見てくるので目を逸らしてしまった。
くっ、嵐姉さんの乙女の感は侮れないな。
「やっぱり! ほら、リッちゃんぐっすり寝てるしその思いお姉ちゃんに話してみて♪ 相談に乗ってあげるわよ♪」
胸を張ってポンと任せなさいポーズをとる嵐姉さん。
確かにここゆういつ乙女心かまわかる人だし恋愛に関して詳しいので相談するのは嵐姉さんが一番良いだろう。
なんだかんだあったけどこれは聞きたいことを相談できるいいチャンスなのでは?
してみるか……。嵐姉さんは信頼してるし。
「短く単独に話すと俺は……、そのりったんが……好きで、でも、俺は男だしりったんも男だし、アイドルなわけだ。しかもアイドルと恋愛はNGだし。だから、この話をしても嵐姉さんは困るだけじゃないかなぁ、と思ってる。」
途切れ途切れながらもちゃんと思考を巡らせて冷静に話した。
すると嵐姉さんはうんうんと真剣に聞いてくれた。
一通り話終えると嵐姉さんは腕をくんで悩み始める。