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# 3104【気象系】

第4章 # 4n5


「……」

 

「……」



「……」



「オイッ! なんで誰も喋んないんだ? 通夜じゃねぇーんだから!」


工房に向かう車の中
後部座席のカズはじっと窓の外を眺めてて
相葉くんはその隣りで居心地が悪そうにあっち向いたりこっち向いたり
慎吾は運転しながら一人でやいのやいの言ってて

僕は、というと

右斜め後ろに座ってるカズが気になって仕方なくて
でもそれを悟られまいと前を見据えてる


「しょうがねぇなぁ〜
じゃあ質問コーナー行ってみよう!
まずは俺から!」


ホントは色々知りたいのに
何も聞かない僕達兄弟を、慎吾なりに気遣ってるつもりなんだろう


「二人は仕事、何やってんの?」

「俺はレストランでシェフ、やってます
カズくんは、」

「…パティシエ見習いでケーキ屋さんに、」


パティシエ。

…そうか。パティシエ、やってんだ。
ちょっと意外だけど…頑張ってんだな


「シェフとパティシエかぁ。 ジャンルは違うけどここに居る全員職人じゃん!」

「お二人は…」


カズを気にしながら、遠慮がちに。


「…工房はもう、長いんですか、?」


ホントはもっと聞きたい事があるだろうに
核心を突いてこない
相葉くんも慎吾と同じで優しい子なんだろうな

お互いイイ友達に恵まれたな、カズ…
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